あらすじ
ひとり旅でタイ・バンコクに訪れた青年・リチャード。刺激を求めてやってきた彼であったが、あまり楽しめずにいました。
そんな折、同じ宿に宿泊していたダフィから、タイにある「秘密のある島」への行き先が描かれた地図を渡されます。そこには「この世の楽園」がある、と。
翌朝、ダフィは変死体で発見されます。
不気味さを感じながらも、リチャードは同じ宿に宿泊していたフランス人カップルと共に、地図を頼りに秘密の島へ向かう旅に出るのでした。
ピピ島
「楽園」のロケ地となったのは、タイのピピ島。その中でも最も有名なビーチが「マヤ・ベイ」です。岩に囲まれた美しい海ですが、本作の公開後、観光客がピピ島に殺到。2019年1月現在、「無期限閉鎖」となっています。
作中では、「楽園」に住む人たちはいわゆる観光地を毛嫌いしていました。
現実では、本作をきっかけにその楽園が観光地化してしまう、というのは皮肉を感じますね。
観光地としてのタイ
本作の大半はピピ島にフォーカスがあたっていますが、随所に登場するそのほかの場所も、観光地として非常に有名な場所になります。
・カオサンロード
主人公リチャードが宿泊したホテルのある、「バックパッカーの聖地」とまで称されたバンコクにある道。お金のないバックパッカーたちは、カオサン通りにある安宿などで同じバックパッカーから情報を収集していたそうです。
現在では、インターネットで情報を収集することができるため、わざわざカオサン通りの安宿で宿泊する人は減少しているそう。洋風カフェやバー、レストランが立ち並ぶ観光地となっています。
・パンガン島
リチャードたちが、物資の調達のために訪れた島。
作中では明示的に触れられていませんでしたが、この島はスペイン・イビザ島、インドのゴアと並び、欧米系を中心とした「パリピ」が集まる島として有名です。
パンガン島では、満月の夜の度に「フルムーン・パーティ」と呼ばれるビーチイベントが開催されます。 火が付いた縄で縄跳びしたり、バケツ一杯に入れたお酒を飲んだり、海で立ちションしたりする人もいたり。
感想
著者も今まで20か国ほど訪れたことがありますが、なるべく観光地化されていない場所に行きたくなる気持ちはよくわかります。
ただし、そういった場所は、日本語は当然のことながら、英語も通じない場所が大半であるため、なかなか訪れたり、楽しんだりすることは難しいです。
主人公が訪れた「楽園」では、美しいビーチもあり、似たような価値観を持つ人に囲まれて、最初は楽しいと思います。が、最終的には単調な生活に飽きそうな気がします。
映画自体は、全体的にサスペンス調。時折、主人公の妄想と現実が入り混じる演出があります。観客に怖さを感じさせるためのシーンだとは思いますが、個人的には???な印象しか残りませんでした。
正直、イロモノ映画に分類されてもちょっと仕方ないかもしれません。