あらすじ
メキシコのある村に住む音楽好きな少年・ミゲル。
しかし、彼の親を含めた家族は音楽嫌い。ミゲルのひいひいじいさんがミュージシャンの夢を追い妻とその子供を捨てたためであった。
先祖を偲ぶ日である死者の日。街を上げてお祭りとなり、音楽コンテストが開かれる。
ミゲルは音楽祭への出場を夢見ていたが、祖母にギターを壊されてしまう。それでも夢をあきらめないミゲルは、伝説のミュージシャンの霊廟に忍び込んでギターを手にする。
そしてそのギターを弾いた瞬間、ミゲルは「死者の国」に迷い込み、死んだ自分の先祖に会うことになるのだった。
死者の日
死者の日とはラテンアメリカ諸国における、家族が集い故人へ思いを馳せる日。
特にメキシコで盛大に祝われるそうです。日本のお盆に近いイメージですが、明るく笑って過ごすのが特徴。
ガイコツメイクの上に民族衣装を着用した人々が歩いて行進したり、パフォーマンスをしたり。
お墓をマリーゴールドという花で装飾して、派手にデコレーションしたり。
また、故人の遺影や、花、食べ物を配置した「アルタール」と呼ばれる祭壇も作ったり。
もちろん、祝い方は各地で若干異なるといわれていますが、有名なのは「アオハカ」の死者の日、首都・メキシコシティのパレードといわれています。
ロケ地
主人公ミゲルが迷いこんでしまう「死者の世界」。
カラフルな「インスタ映え」する街として描かれる死者の世界ですが、そのモデルとなった街は、メキシコのちょうど真ん中あたりにある「グアナファト」といわれています。
「おもちゃをひっくり返したような街」とも称されるこの街は、カラフルなコロニアルな建物からなる街並みで、世界遺産にも登録されています。
また、そのほかにも本作では数多くのメキシコの各観光名所が取り上げられています。
例えば、メキシコのユカタン半島には、洞窟の中にある淡水の泉である「セノーテ」。
セノーテは数千あるといわれていますが、その中でも有名な「サムラセノーテ」が、例えば、作中に主人公ミゲルが落ちてしまう泉とそっくりです。
感想
メキシコを含めたラテンアメリカは「家族」を非常に重視する文化であるといわれており、本作でも「家族愛」について描かれます。
観る人によってはこの描き方が重く感じられたりするかもしれませんが、著者はけっこう感動しました。
詳しく書くとネタバレにつながってしまいますが、家族愛を前面に押し出しているのに、それがあまり押しつけがましくなく、非常にバランスが取れているように感じました。
めったに家族と連絡とらない人も、久しぶりに家族に連絡してしまいそうになる、そんな映画。