【あらすじ】
2015年8月21日。乗客554人を乗せたアムステルダム発パリ行きの高速列車タリスで、突如イスラム過激派の男が車内で自動小銃を発砲。
乗客全員が恐怖に怯える中、ヨーロッパを旅行中だった幼馴染3人の若者が犯人に立ち向かうのだった。
【海外旅行によく行く人は必見?】
海外旅行によく行く人なら「あるある」だと思いますが、友人や家族から「治安は大丈夫なの?」、中東の地域に行こうものなら「危なくないの?テロは大丈夫なの?」といった声を掛けられたりすることがあると思います。
もちろん、海外は日本とは異なる部分もあるのでいろいろ気を付けてなくてはならないことはあります。
それでも、スリとか、飲食店でボラれたりとかが主なもので、命に関わるようなことは(一部地域を除いて)ほとんどありません。
本当に紛争やテロで危ない国は、入国を止められるとも聞いたことがありますので。
※2019年の話ですが、イスラエルのゲストハウスで会った日本人が、シリアに入国しようとして、領事館の一番偉い人に止められた、とか言ってました。
そんなわけで、海外旅行者の多くはテロの心配をしていないと思いますが、本作では、3人はなんと旅行中にテロに巻き込まれたあげく、さらにこれを防いだという「実際」を取り上げています。
しかも、主人公の3人は、なんと実際にテロを防いだ本人たち。
リアリティを究極にまで追求した「15時17分 パリ行き」がどんな作品なのか、詳しくみてみましょう!
【ストーリー展開】
本作のストーリーは3人の出会いからテロを防ぐところまで。次の4つに大き分類できます。
1.少年時代の出会いパート・・・ミリオタ気味の3人が中学校で出会いと別れ。
2.青年パート ・・・テロを防ぐときに最も活躍するスペインサーが、身体を鍛えて軍隊に入隊するも、希望するレスキュー隊に入隊できず、「大人の託児所」とよばれる救護係りに配属される。
3.旅行パート ・・・3人が集まって、のんびりと欧州旅行する話。
4.テロパート ・・・オランダ発パリ行の電車の中で、テロに巻き込まれる話。
以上のように、「テロ」のパートは全体のたった1/4。ノンフィクションのアクション映画だと思うと肩透かしを喰らうので要注意です。
あくまで「テロ」を防いだ主人公たちが、どのような生き方をしてきたのか、が中心に描かれます。
勇敢な行動にでた人たちなので、すごいエリートだろう、と思いきやそうでもなく、主人公のひとりは希望するレスキュー隊に入れず、ちょっとうだつの上がらない普通の青年たちです。
【旅行パート】
アムステルダム発パリ行きの列車の中での事件を扱っていますたが、主人公たちはアムステルダム以外のいろいろな国も観光しています。
具体的には行程です。
ローマ⇒ベネツィア⇒ベルリン⇒アムステルダム、そしてパリ。
旅行パートは、まさにどこにでもいるような普通の青年の話。自撮り棒でInstagram用の写真を撮影し、ひとり旅の女の子(かなり可愛かったです)をナンパしたり、クラブで遊び廻ったり。
人によっては、この「旅行パート」が長く感じられてしまう人がいるかもしれません。
というのも、普通のアクション映画であれば、このパートで次の事件に繋がるような伏線が張られるのでしょうが、この旅行パートではそうした演出がほとんどまったくないからです。
しかしながら、テロといのは突然日常の中で起こるもの。だからこそ、このパートでは「ありがちな伏線」が張られなかったのでしょう。
【感想】
アメリカでは、よくいえば「賛否両論」どころか、かなり否定的な意見が多かったようです。
英語話者でない私から見ても「あまり演技が上手くないな」と思うところですけれど、ネイティブから見ると台詞が棒読みのように感じられるのかも。
しかしながら、「平凡な男の人の努力?が報われて成功する」タイプの話が好きな私にとっては、好印象の映画でした。
登場するキャラクターも少ないし、ストーリー展開もひねりがないので、頭をあまり使わなくてすむうえに、100分もしない映画というところも好感度大。