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ベトナム

【インドシナ】2人の"女傑"の物語。ベトナムが舞台です。インド"ネ"シアじゃありません。

投稿日:2019年3月17日 更新日:

あらすじ

「インドシナ」とはインドと中国(支那)に挟まれた場所。

19世紀後半から20世紀の半ばまで、現在のベトナム・ラオス・カンボジアはフランスの支配下にありました。

主人公のエリアーヌは、フランス国籍を所有していますが、ベトナムで育ち。
事故で友人夫妻を失い、遺児のカミーユを養女として、遺産の広大なゴム園を経営しています。

上流階級である彼女はゴム園でベトナム人を働かせつつ、ベトナムに根を張った生活を送っていましたが、フランス人将校と恋に落ち、別れてしまいます。

遺児のカミーユは、育ての親であるエリアーヌからしっかりとした教育を受けた上、ベトナム人の中でも上流階級に位置づけられる一族に嫁ぐことも決まっています。

しかしながら、カミーユはフランス人将校に一目ぼれをし、単身彼を追って旅にでます。もちろん、彼が育ての母の元・恋人であることは知りません。
そんな中、自分とはまったく異なる暮らしぶりをする困窮したベトナム人との交流を経て、やがて共産主義による独立運動に加担していくことになるのでした。


フランスとベトナム

フランスの支配下にあったベトナムでは、その影響を随所にみることができます。

ベトナムで最も大きい街・ホーチミンシティは"東洋のパリ"とも呼ばれ、サイゴン大教会からサイゴン川への目抜き通り「ドンコイ通り」にはフランス統治時代を偲ばせる建築物が集中します。

19世紀末に建設された中央郵便局は、あのエッフェル塔を設計したエッフェル氏が手掛けています。

また、コロニアル建築が特徴的のコンチネンタルホテルは、本作「インドシナ」のロケ地としても使用されています。

こうした目に見える建築物以外にも、フランスの影響を偲ばせるのはベトナムの「カフェ」文化でしょう。
実は世界第2位のコーヒー産地であるベトナムは、コーヒー、そしてカフェ文化がしっかりと生活に根付いているといわれています。

中国とベトナム

とはいったものの、所詮は?ベトナムとフランスは物理的な距離は遠く、ベトナムへの影響力は中国のほうがはるかに持っています。

カミーユがフランス植民地政府から逃亡するために旅の一座に扮しますが、そこで演じるのはまさに「京劇」
(正確には、彼が演じるのは中国の京劇の影響を受けたベトナムの古典劇"Hat boi"だと思いますが、ブログ主の知識が乏しいので「京劇」と"Hatboi"の区別がつきません。)

そもそもベトナムは漢字で越南とかきます。麻雀を嗜んだことがある人ならわかると思いますが、麻雀で「南」は「ナム(ン)」といいますが、これとベト「ナム」は同じなのでした。

また、本作のロケ地でも使用され、ベトナムで最も有名な観光地である「ハロン」湾の意味は「竜が下りる」という意味。「竜」というネーミングが、そもそも中国の文化の影響を受けているようにも思えます。

感想

独立の機運が高まりつつある当時のベトナムを背景としながら、母娘の親子愛、それぞれの恋愛を描いた2時超の大作。

前半はベトナムで育ったフランス人・エリアーヌとフランス人将校のロマンスが中心。

後半はエリアーヌの養女・カミーユとフランス人将校のロマンスが中心の話、と思っていましたが、意外にも?カミーユが同胞であるベトナム人たちが生活する「現実」に直面することで、どんどんと強くなっていきます。

ベトナムの女性はとても「強い」と言われており、女性が社会の要職を占める割合も日本と比べてずっと高いそうです。確かに、ビジネスでベトナムを訪れたときも、マネージャークラスを務める女性もごろごろいたような。

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