あらすじ
ロシアのボリショイ劇場で働く清掃員・アンドレイ。かつては、ボリショイ交響楽団の天才指揮者であったが、共産主義時代におけるユダヤ人排斥運動を拒絶したため、解雇されてしまったのだ。
ボリショイ交響楽団にパリ・シャトレ座からオーケストラのオファーがあったことを知った彼は、かつての仲間と共に、本物のボリショイ交響楽団になりすましてパリに行くことを思いつくのだった。
チャイコフスキー
ロシアは著名なクラシック音楽家も次々と生み出している国。
その中で最も有名なのはチャイコフスキーでしょう。
「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」といったバレエで最も有名な演目を作ったのも彼。
本作のテーマ曲である「ヴァイオリン協奏曲」もチャイコフスキーの作品。
ちなみに、パリ音楽院、ジュリアード音楽院と並ぶ世界3台音楽院のひとつである「モスクワ音楽院」の正式名称は「チャイコフスキー記念国立音楽院」。
チャイコフスキーがいかにロシア人から敬愛されているかがうかがえるでしょう。
本校では、ほぼ毎日のようにコンサートが催されています。演奏者は若手。入場料もそんなに高くはありません。モスクワに訪れることがあれば、参加してみてもよいかも。
私もモスクワ旅行時に入場したことがあります。平日開催にも関わらず、無料のものを含めた大小さまざまな演奏会が催されており、学校は来場者で溢れかえっていました。
ちなみに、私が訪れたのはピアノソロの演奏会。演目はチャイコフスキーだったようです。知らない曲ばかりでしたが。
モスクワ
撮影はモスクワでも行われてり、聖ワシリー寺院が建つ赤の広場などがロケ地として使われています。
なお、「赤」はロシア語でもともと「美しい」という意味をもつそうで、赤の広場は別に「赤い」わけではないのであしからず。そうとは知らずに赤の広場に行くため、赤い地面の場所を探したのは良い思い出です。
また、赤の広場近くには、主人公が働くボリショイ劇場も。
モスクワの人口は東京に匹敵するそうですが、人通りはあまり多くないような気がします。道路が広いせいでしょうか。
感想
コンマス(楽団の第1バイオリン奏者)・ジャケ役のメラニー・ロランが本当に美人。美人好きなら必見の映画。
現在ではボリショイの清掃員としてくすぶっている主人公同様、他の楽員たちも蚤の市で働いていたり、アダルトビデオの音楽を担当していたり、私用で救急車を乗り回したり、個性豊かなキャラクターばかり。
そんな彼らですので、最期のチャイコフスキー「ヴァイオリン協奏曲」を演奏するシーンでは、最初はぐたぐだな演奏になってしまうのですが、だんだんとそれぞれの音が調和していくのは、元のチャイコフスキーの音楽ともあいまって、観客に高揚感を与えてくれます。
正直、最後の12分間だけでも十分かも。