あらすじ
1952年のアルゼンチン。医学生のエルネストは親友のアルベルトと共に、南米大陸縦断の気ままな旅へ。手段はオートバイ「ポデローサ(怪力号)」。走行距離は10,000キロ以上。
遠距離恋愛中のエルネストの恋人と会ったり、ナンパをしたり、ある時は住む宿と食事を得るために物乞いのような真似も。
また、南米大陸の険しい山を越える必要があるときも。山道、雪道、ときには道ともいえない道をオートバイで走る2人。
旅の後半では、ポデローサ号にも寿命が迫り、途中からヒッチハイクや徒歩による移動をせざるをえないことに。このころから、2人は貧しさから薬を購入できずに病に苦しむ老女、職を求めて放浪する夫婦など、本でしか知らなかった南米大陸の現状を知ることになります。
この旅は、エルネストを大きく変えることになります。革命家への道を一歩ずつ進み、のちの「チェ・ゲバラ」としてキューバ革命を成功に導くことになるのでした。
2人の足跡
出発はアルゼンチンの首都・ブエノスアイレス。その後、西に移動をしてチリへ。北上して、ペルー、コロンビア、ベネズエラへと移動します。
2人が訪れた中で、最も有名な場所はペルーのマチュピチュでしょう。
マチュピチュはインカ帝国が作ったとされる謎の遺跡。南米がスペインに「侵略」される前の15世紀ごろに作られたといわれています。日本でいえば江戸時代くらいでしょう。
旅と言語
旅の醍醐味のひとつは旅先で出会った人たちとの交流。
けれども、お互い言葉が通じことが多いので、海外旅行の場合はこれが難しい。
一方で、南米大陸ではブラジルを除いてスペイン語が通じます。外国を訪れても、現地の人たちと、言葉で苦労することなく交流できるのは本当に羨ましいな、と思います。
その陰には、もともと南米に住んでいた人たちが話していた、スペイン語以外の言葉が消えつつあります。こうしたことを、主人公たちは、もうスペイン語しか話すことができなくなりつつある、先住民の子孫たちからとスペイン語での会話を通して知ることになるのでした。
旅する理由
旅中の主人公たちはお金を持っていませんが、決して家が貧しいわけではありません。それぞれ医者と学者の卵であり、将来が約束された人たち。そんな彼らだからこそ、南米を縦断するという「自分探しの旅」に出ることができたといえたでしょう。
主人公2人は、鉱山で日雇い労働者として働く人たちとも交流します。彼らは「仕事を探すために旅」を続けているといいます。そんな彼らに対して、主人公たちは旅の理由を即答することができないのでした。
感想
画面全体は暗く、大きなストーリー展開があるわけでもなく、特に後半から冗長になるので、正直眠くなります。一方で、特に途上国の貧困問題に関心がある、特に大学生にはおすすめできると思います。